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アジャイルで“顧客嗜好”をかたちにするCuonが実践する「バイブコーディング」とは
AIの進化により、システムやサービスの企画・要件定義・試作の進め方は大きく変わり始めています。Cuonでは、これまで培ってきたアジャイル開発の知見にAI活用を掛け合わせ、より早く、より具体的に、お客様の「やりたいこと」を形にしていく取り組みとしてバイブコーディングを実践しています。今回は、CuonでバイブコーディングをPreSalesや要件定義に活かしている後藤進に、その背景や進め方、実際の活用事例、今後の展望について聞きました。
プロフィール紹介
後藤 進 株式会社Cuon Sales & Consulting部 取締役 20代はSun Microsystemsで営業に従事。その後、ネット証券にて外為本部長、医療系スタートアップサービスでは営業兼企画を担当。さらに大手通信事業者では法人向けクラウドサービスのPdMを経験。2016年よりCuonに参画し、これまでの事業開発・営業・プロダクトの知見を活かして、お客様のSaaS事業や新規事業の立ち上げを支援。近年はAIを駆使し、バイブコーディングをPreSalesおよび要件定義に活かしている。

─まず、「バイブコーディング」とは、Cuonの中でどのような取り組みなのでしょうか。
後藤:Cuonでは、もともとアジャイル方式でお客様のSaaS事業や新規事業の立ち上げを支援してきました。そうした中で、AIの進化によって、お客様が実現したいことをこれまで以上に再現性高く・具体的に提案できるのではないかと考え、バイブコーディングを始めました。 単にAIでコードを書くという話ではなく、お客様の事業や業務の文脈を踏まえながら、構想を素早く形にし、試し、フィードバックを得ながら精度を上げていく。そうしたアジャイルの考え方とAI活用を組み合わせた進め方が、Cuonにおけるバイブコーディングです。
─なぜ今、Cuonがバイブコーディングに取り組む必要があると感じたのですか。
後藤:背景には、Cuonの強みがあります。CuonはもともとRuby on Railsを強みとするエンジニア集団で、顧客志向で柔軟に、技術力高くサービスを開発・リリースしてきました。一方で、本当に良いサービスを作るには、技術だけではなく、お客様のビジネスや営業の要素まで踏まえた設計が必要です。 私はこれまで営業や事業責任者、PdMの立場を経験してきたので、その視点を活かして、お客様とエンジニアの間をつなぐブリッジになれると考えました。AIを活用することで、その橋渡しをさらに速く、具体的にできる。そこに大きな可能性を感じています。

─実際には、どのような場面でバイブコーディングを活用しているのでしょうか。
後藤:現在は、社内外のさまざまなプロジェクトで活用しています。たとえば社内では、プロジェクト単位で見積・注文書・請求・口数管理を実現するベータ版システムの開発に取り組んでいます。 またお客様向けでは、プラットフォーム事業の要件整理のためのアルファ版アプリを早い段階で形にし、実際に触っていただきながらフィードバックを得て、予算化や次フェーズの検討につなげる支援も行っています。 従来であれば、要件定義に時間をかけたうえでようやく開発に入るケースも多かったのですが、バイブコーディングによって、より早い段階で“動くもの”を見せられるようになりました。これにより、お客様の意思決定や社内合意形成も進めやすくなっています。
─Cuonのバイブコーディングでは、どのような進め方をしているのですか。
後藤:ポイントは、「プロンプトを固めるためのAI」と「実装するAI」を分けて使うことです。 まず前段では、システム名、登場人物、期待効果、必要な機能、さらに機能と利用者のマトリックスまでをできるだけ正確に整理し、AIに渡します。するとAI側から、画面一覧やE-R図など、追加で整理したほうがよい観点を提案してくれることがあります。そこを目的からブレない範囲で深掘りし、最終的にプロンプトを最新版として整えます。 そして最後に、その整理済みの内容を前提として、どのAIで実装するかを明確に指定する。この切り分けによって、企画段階で必要な整理と、実装段階で必要な指示が混ざらず、精度を高めやすくなります。
─その進め方で、特に意識していることはありますか。
後藤:感覚的な表現にはなりますが、AIから見たときに文脈が濁らないことを強く意識しています。ごちゃ混ぜの指示を一度に与えると、出力の精度や一貫性が落ちやすい。だからこそ、何を整理するフェーズなのか、何を実装するフェーズなのかを分けることが重要です。 人間同士のプロジェクトでも、論点整理と実装指示が混ざると混乱します。AIでもそれは同じで、順番と粒度を整えることで、アウトプットの質が変わってきます。
─バイブコーディングは、お客様にどのような価値をもたらすと考えていますか。
後藤:一番大きいのは、“やりたいこと”を早い段階で具体化できることです。新規事業や新サービスの立ち上げでは、最初から要件が完璧に固まっていることはほとんどありません。だからこそ、まず触れるものを作り、そこから対話を進めることに価値があります。 バイブコーディングは、単なる効率化ではなく、お客様との会話の質を上げる手段でもあります。曖昧な構想を、画面や機能、データ構造といった形に落とし込んでいくことで、認識のズレを減らし、投資判断もしやすくなる。結果として、事業開発のスピードと納得感の両方を高められると考えています。
─今後、さらに強化していきたい点を教えてください。
後藤:今後は、UI/UXの実現精度をさらに高めていきたいと考えています。単に動くものを早く作るだけでなく、ユーザー体験としても納得感のある形にしていくことが重要です。 また、社内では技術スタックである「Cuonlogy」の中にノウハウを蓄積し、営業やPdMにも還元していきたいと思っています。バイブコーディングを一部の担当者だけのものにするのではなく、Cuon全体の提案力や推進力につなげていく。それが今後の大きなテーマです。
まとめ
Cuonのバイブコーディングは、AIを使って単に開発速度を上げる取り組みではありません。お客様の事業理解、営業視点、プロダクト視点、そしてエンジニアリングをつなぎながら、構想を素早く具体化し、アジャイルに価値検証を進めるためのアプローチです。 「要件がまだ曖昧」「新規事業のアイデアをまず形にしたい」「社内合意を取るための試作が欲しい」——そうした場面でこそ、Cuonのバイブコーディングは力を発揮します。構想段階から伴走し、事業と開発の橋渡しをしながら、実現性の高い一歩を共につくっていきます。
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